アイヌ文化

アイヌ伝統儀式カパチェプノミ

アイヌ民族は、シサム(和人)が渡来する遥か以前から北海道に住んでいた先住民族です。祖先はこの地をアイヌモシリ(人間の静かなる大地)と呼び、アイヌのコタン(集落)を形成しチセ(家)を建て狩や漁・植物採集をしながら、自然界や人間の手が及ばない事象をカムイ(神々)として謙虚に祈るとともに、自然の恵みに感謝して暮らしてきました。「カムイありて我あり、我ありてカムイあり」との互助精神で、自然を改造・破壊・汚染することなく生活してきたのです。

アイヌの人々の踊り

そこには食文化として今に伝わるものがあります。サケを凍らせた「ルイベ」はル・イペ(とける・食べ物)という意味を持つアイヌ伝統料理です。三平汁や石狩鍋はチェプオハゥが起源とされアイヌ文化は北海道の生活に脈々と受け継がれています。アイヌが身に着ける衣服や文様には切り伏せした布や刺しゅうなどによってモレウ(渦巻き文)やアイウシ(括弧文)と呼ばれ、これらの文様には地方によってそれぞれの特徴があり親から子へと伝えられました。歌や踊りなど、喜びや悲しみを体で表現する事はアイヌ生活に欠かせないものでした。儀式の時や、親戚・友人が集まった時、仕事の最中さまざまな場面で人々は歌い踊りました。アイヌの舞踊は自分たちが踊って楽しむだけではなく、祖先や神々に対して敬意や感謝を表す表現でもあります。このように悠久の時を越えて伝承されるアイヌ文化に触れてください。

ルウンペ文様の木綿衣

「第1回ヒメマス祭り~カパチェプノミ~」
(2017年7月開催)ダイジェスト動画